be alert
それから2日後、「この村の領域に何者かが侵入した」とタカに土霊から知らせが来る。
タカは何者かが確認されたその場所まで行く。
するとこの七輪林峠の森へ来るのに乗って来た最高級車の上に荒くれもの達が座ってタカを待っていた。
「おせぇな… 待ちくたびれたぜ。あまりに暇すぎてお前の車こんなのになったぞ? ――ハハハ」
「―――くる… ま…」
無残にも別の意味で芸術的センスが光る車に改造されていた。
それはまさに世紀末風だ。
タカはロクサスの人間と相対する。
「お前ら、俺の車においたするとは、いい度胸してんじゃねぇか」
「こんなイキった車、お前には似合わねぇよ」
男たちは車から降りて構え直す。
「さて、噂のインフィニティ。噂だけだと俺が分からせてやるぜ」
タカは早々に、そこにいたメンバー全員をぶっ飛ばし終えると異変に気付く。
(――――俺を待つ理由は?)
待ち伏せや罠、襲撃、ここへ来るまで何もなかった。
(俺を確実に倒すならそうするはずだ。なんだ? 自信家のアホならいいが)
それだけならまだ良い。
何か嫌な気がした。
あわてて後ろを振り返ると村のあった方角が燃えている。
「―――ッやられた‼ 囮か」
急いで燃えている村へ戻ると村霊達の殆どが死んでいた。
タカは辺りをかき分け生きている村の者を探す。
すると村霊の子供の一人が足を引きづりながら
「タカ… 兄ちゃんッ エネが、…後これが家に置いて、あった」
子供は手紙を持っていた。
手紙を受け取り中身を確認すると中身にはこう書かれていた。
「木のガキは預かった。返してほしければ、壺と交換だ。ここから南にある小屋で待つ」
タカは今置かれている状況を理解した。仕組んだ犯人から全て
「タカ兄ちゃん、お願い… エネを助けて」
「あぁ任せな、よくここまで頑張ったな。―――ゆっくり休め」
タカはその子どもを寝かせて息が引き取るところを、手を握りながら見守った。
―――仇はとってやる――――
そう亡骸に誓ってタカは歩みだす。