haunted and pass
タカとオカモトの二人は目的地に向け車を走らせる。
「この分だとすっぐに到着だな兄貴! というかこの車を貸すってあの女何者よ、どういう繋がり?」
うるさいオカモトにタカは答える。
「あいつは前に…この世界に来た時に依頼人から頼まれていた依頼品だ」
「あぁナルホド‼ 助けたんすね! やっぱモテる男は違うねぇ~誰か女紹介してくださいよぉ」
――――――省略――――――
無駄話をしているとすぐに七輪林峠の森に到着した。
森の中へ入って行き山道を走行していると、情報にあった崖から落ちたトレーラーやトラック、重機などがそこら中に転がっていた。
「―――噂は本当だったんだ 兄貴、やっぱ、やばそうだぜ」
ビビるオカモトを気にもせずタカは
「オカモト、壺の大社までまだ遠いのか?」
「この先にある道がなくなっている場所から数キロのとこらしいですが、詳しい場所は…」
「そうか、ここらへんに一旦車を止めて歩くか」
二人は車から降りて、しばらく歩くと木の陰から何かがモゾモゾ動いているのが分かった。
「兄貴、なんかに付けられてますぜ」
「お前見てこいよ」
「そんな無茶な~」
二人がそんな会話をしていると見計らった様にバッっと何かが飛び出してきた。
現れたのは、いかにも昔の特撮ものの敵役、全身黒タイツの軍団が何処からともなく湧いて出てきた。
キヒィーン、キヒィーンと黒タイツの軍団が奇声を上げている。
「兄貴ぃ―――なんかやばそうですぜ。これが噂の奴らですかね?」
「……」
囲まれていると、その黒タイツ軍団から、
「ここから~出ていけぇ~」
と声が聞こえた。
タカはオカモトに
「こいつ等ちゃんと話せるじゃねぇか、オカモト話してみろよ」
「え… 俺っすか?!」
「今、この場に、お前以外にオカモトはいるのか?」
「―――了解ッす」
オカモトが黒タイツ集団に
「お前ら、この七輪林峠の森を収める壺の在り処を教えろ‼ さもなくば」
話している途中でオカモトは黒タイツ集団に取り押さえられ羽交い絞めにされた。
「やめろ、離せ‼ 兄貴ぃ‼ あにきぃいいいいい――――――!!!」
叫ぶオカモトを取り押さえながら集団たちは
「出ていけぇ~ここから~出ていけぇ」
出ていけの一点張りだ。
タカは取り押さえられたオカモトを眺めながら今回の依頼について考えていた。
すると黒タイツ達が飛び掛かって来た。
掴みかかってきた黒タイツの腕を掴み背負い投げをかます。
その他の連中も、足を引っかけて転がしたりと殴るのではなく別の方法で無力化していく。
「このやり方じゃきりがねぇな」
タカが段々と後手に回って行くと、タターーン!! と登場シーンに使われるような効果音が鳴り響く。
『大丈夫か? 一般庶民たちよ!』