第2-43話 結成
タカの圧力にカルナとタケミは顔を強張らせて緊張する。
そんなカルナにエルンが
《おい! 童にすら緊張しんお前が、あんな小僧に緊張するとは何事や》
(なんでお前に緊張するんだよ。あいつの戦ってるとこ見ただろ? やばすぎるだろ。普通に怖ぇし)
「さて、タカも来たし改めて自己紹介させてもらう。俺はノクス。で横のこいつがタカにこのロボットから画面越しで見ているのが、ベル=ランドル。この前の研修で話してた、生意気な小娘だ」
「誰が生意気だ! バカノクス」
さて、とノクスが話を改める。
「先日の戦いを見て思ったが、俺たちと一緒に行動する気はないか?」
二人は再度、ノクスの急な投げかけに対して返事に困っているとベルが
「この二人、役に立つの? ぶっちゃけ実力不足じゃない?」
「んー確かにな。このままで依頼を続ければ早死にするタイプだな…… けどな、度胸とやる気は中々のもんだ」
「つまり気にいったから死なせたくはないわけね、で―――あんたら二人はどうなの?」
タケミがノクスやベル、タカに向け自身の思いを話始める。
「おれは―――俺は、見つけ出したいやつがいるんです。…… だけど俺には力が足りない。もし、ここで教えて頂けるなら、力をつける術を教えてほしいです」
「ふーん。力をつけて何? 復讐てわけ?」
「復讐したいかは、今の俺には分からない…… けど、父や母、それに弟を殺した理由を知りたい。そして必ず皆の墓の前で謝らせる!」
「なるほどね、あんたにちゃんと目的があるのはわかった。じゃ隣のあんたは」
カルナがベルから話を振られる。
「俺はそんな目的もねぇし、特に力をつけたい訳でもねぇ。だから今は何がしたいのかわからない」
「ふーん。正直――。けどあんたが今こうして、生きているということは何か大事な事を忘れてるだけじゃないの?」
ベルはノクスとタカの方へ振り向き
「まぁ私はいいんじゃない? 特にあんたが決めたことだし。私は仲間にこだわりはないし」
(素直じゃなぇな。俺と同じで、少しこいつらに興味がある癖に)
ノクスはタカの方へ向き
「タカはどうだ?」
「俺もお前の決めたことに異論はねぇ。―――けどな、お前らガキ二人。自分の身は自分で守れよ。俺はガキのお守りにはよぉ。手に余ってるからな」
タカの視線に少しビビり気味なカルナとタケミだが、ノクスが軽く仕切り直す。
「タカもおーけいだそうだ。じゃ二人共、これから宜しくな」
「ちなみに明々後日から依頼を俺に一人、タカに一人着いて、しばらく動いてもらう。補助やアシストはベルにしてもらうから、皆、宜しく」
呆気なく決まり新体制になる。
「よっしゃ! 飯食ったら皆で風呂行くか!」
「私は無理‼」
ノクスはタカにも聞くが、お守りがあったのを思い出す。
「あぁーそういえばエネちゃんは?」
「あいつなら家に大量の菓子と一緒にぶち込んどいた。だから俺は用が済んだら、買い物行ってさっさと帰る」
「かぁーーーやっぱノリが悪いねーーー。よし、じゃ三人で行くか‼」
カルナとタケミの方へノクスは振り向く。
「えぇ、まだ全然ご飯食べてないんですが!」
「じゃ急いで食べんぞ‼ ―――あ、後タカ! 今回の件だが、やつらとはまた別だ。また探し初めだな」
ボソッとタカに何か伝えた後、銭湯へ行きたさ故か、ノクスは食べ物を飲むように口へ流し込み、半強制でカルナとタケミを引っ張り銭湯に向かった。