第2-39話 即興連携
「邪魔を…… するな!!!」
タケミとノクスを巻き込むように直線的に貫くように男は束ねた腕を勢いよく伸ばす。
当たったはずの二人は五メートル離れた場所に移動していた。
―――『八雲/うす雲』――――
タケミの発した技の幻影に攻撃を行っていた。
「やるな。チビ」
ノクスも態勢を立て直す。
「俺が援護する。行けるか?」
「はい。任せてください!」
二人は一斉に左右に分かれ、男に向け走り出す。
「小賢しい」
腕が左右に分裂して複数の腕が凄い速度で伸びていく。
右側ではノクスが、風の弾丸で防ぎ、また風の反動で宙を飛び腕を避け進む。
左側ではタケミが、八雲による技に斬り、往なし、翻弄して突き進む。
だが次第に進む速度は低下していく。
黒フードの男は
(このままいけば奴らが潰れるのも時間の問題。だな)
そんなことを思ったのも束の間、左右にばらけていた二人はセンターに集まり正面突破を狙う。
「なに。…… だが―――それがどうした‼」
男は左右に分裂していた腕を二人が向かい来るセンターへ。
中心ラインにいるノクスとタケミを壁が挟み込むようにして無数の腕が左右から襲い来る。
ノクスはありったけの風の弾丸を連射して左右の腕を風の弾丸で潰していく。
その隙にタケミは男に突っ込む。
「――覚悟しろ‼――――『八雲/筋雲』―――!!!!」
タケミの斬撃が男の肩から胸に向けて刀が振り下ろされ斬り抜ける。
「ッ―――ぅうううぶッッ」
斬られた個所、そして男の口から血が流れ落ちる。
タケミは悲しそうに男を見る。
男がうずくまり、その姿を見たノクスが
「お前をロクサスへ連行する。今回の件、先の話の続き、色々聞かせてもらうぜ」
だが黒フードの男は不敵に笑う。
「かかかあああっか。――――――だからどうした? もう終わったと? これまでだと? あまい。な。」
男から黒いオーラが噴き出す。
「俺の名を名乗っていなかったな‼ アナーキー=ダリオ。―――お前らが最後に聞く名だ!!!」