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VIXI---蒼炎のカルナ  作者: ネコるんるん
二章 【ロクサス】編
72/163

第2-35話 2対2 

「――ッぐぇえッッ‼」

風の弾丸により、オルカの右アバラが折れて体が不自然に曲がり吹き飛ぶ。


《やったな大当たりじゃ‼ うむうむ爽快じゃ! わはははは》

(……ギリギリ間にあった、て感じだな)


カルナはノクスの危機にギリギリ間に合った。


「ボウズ! 助かった だけどな」


ノクスは何かを避ける。

「こっちはまだ忙しんだ 帰ったら礼はする。――――そっちは一旦任せた!」



胴体が真っ二つになったはずの黒フード男の体が引っ付き元の人型に戻る。


「術師でも、お前気味が悪いと思ったんだよ」


黒フード男の右腕がぞぞぞぞぞぞぞぞぞぞぞぞぞぞと増殖した。

小さいものから大きいものまで合わせると数十にも及ぶ。


「――お前… 呪術師だな」


歪んだパイプにも見えるその腕達をノクスへ向けた。


爆発的に四方八方へと手が伸びる。


ノクスは風の弾丸を広範囲に拡散させ腕を散らせる。

だが数本の腕がノクスに直撃して木をなぎ倒しながら森の奥へと吹き飛ばす。


腕が触れた木の個所は黒くなり、あっという間に腐って崩れ落ちていく。



一方カルナは横で爆音が鳴っているにもかかわらず注意は前方から逸らさなかった。


暗闇からゆっくりとこちらに歩いてくるのが分かる。


《がきんちょ … 悪い知らせと超悪い知らせ ―――どっちから聞きたい?》

(じゃ聞かねぇよ)


オルカは何事もなかったかのようにカルナの前に立つ。

「君はお呼びじゃないんだけど、獲物がとられたんじゃ仕方ない。――少し遊んであげるよ♪」


「―――遊びすぎて死ぬんじゃねぇぞ‼」

先手必勝の文字の如くカルナは突っ込む。


銃によるフェイントを入れ、右へ体を振って態勢を低くしながら地面に手を着き蹴りを放つ。


オルカは視線を少し変えるだけでカルナの蹴りを外させる。

「さぁチャンスは三回♪」


「なめやがって!!」


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