第2-26話 準備完了
「今日の今?」
「うん そうだよ」
と笑顔で言ってくるタケミに
(頭いかれてやがる)
とカルナは思った。
「待て… お前も俺も事前の準備が出来てないだろうが」
「え? 刀は持ってるよ?」
タケミはそういうと前へ手をかざし何もない目の前の空間に刀が現れた。
驚いているカルナにタケミが
「さっき入場で個人に指輪配布されてただろ? あれには武器を圧縮して格納する機能が付いているからクラウドへ来た時には事前に登録してあるって説明してたじゃないか」
更にタケミが
「――あ」
と続けて
「今回は現地の列車まで直接行けるみたいだから指輪を依頼書にあててその辺にあるドアをくぐれば列車に到着だから距離もないし時間もかからないよ」
と笑顔でカルナに説明した。
「とりあえずすぐに列車の構造を把握して乗り込んでくる盗賊団対策を練ろうよ」
今日の説明をしっかり聞いて理解しているタケミにカルナは
「お前… 順応早すぎだろ」
と頭を掻きながらボソッと言った。
タケミは照れくさそうに笑いながら
「じゃ―――行こうか」
と言って近くの店のドアに手をかけて開けて入る。
カルナが中に入ると、ドアからドアまでに違う空間があった。
学校から砂漠までに通ったトンネルのような空間に似ているが、今回の距離は二十メートルほどだ。
(あぁ――嫌な思い出だ)