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VIXI---蒼炎のカルナ  作者: ネコるんるん
一章 【日常との決別】編
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第1-32話 力と魔法

衝撃が走る。

巨大な女王の拳を受けとめたフレイ。踏ん張った地面がひび割れていく。


女王の拳の風圧が後ろに下がっていたカルナとゆいにまで届く。

「きゃぁあ」

「――くッ」

(なんて戦いしやがんだ)


女王が最初から本気になれば間違いなくカルナやゆいは殺されていただろう。

改めて遊ばれていたことに気付く。

(もしかしたら盗賊達は恐怖で支配されていたのか?)

今となっては理由は分からない。


フレイは受け止めた拳を往なして女王のバランスを崩す。その崩れた態勢の女王に蹴りを顔面に喰らわすが、怯みもしない。

女王には受けた魔法や衝撃に態勢がつく秘められた潜在能力がある。その能力で今にも体が急速に学習を重ねて強固になっている。


その様子を見たフレイは

「僕はあまり格闘向きではないのですが」

一瞬にして女王の懐に入り込みあばらに拳を一撃、打ち込む。

だが女王はフレイの一撃を見越したように無数の人の指のような触手でガードしていた。


「これで終わりじゃないよ」

フレイは下へ上へと打撃を打ち分ける。

それでも強固な無数の触手により防がれる。

「硬いな」


女王の無数の触手が一気に縮む。

「⁉」

フレイは危険を察知し瞬間的に後ろの二人の場所まで飛び下がる。


GYAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA‼‼

女王の体中の触手が爆発したように四方八方に伸び、周りの建物が触手により串刺しになる。


フレイは魔法を使用し、風の壁を前面に作り出し触手の軌道を反らした。


カルナとゆいには理解が追い付いていないのか、呆気に取られ動けずにいた。どうしたらいいのか何をしたらいいのか分からない。

フレイはそんなゆいやカルナに笑顔を見せる。


ゆいは気が付く。

「フレイさん…、け、…剣は?」


この状況下で気づくゆいに関心したフレイ。

「はは…剣は…街の外に置いてきました」

笑顔でさらっとフレイは言う。カルナがそれに対し

「剣があればどうにかなったのか? 無理だろ?」


フレイは辺りを見渡しマリルがさっきまで倒れていた壊れかけのビルの方角を指さす。

「あそこに紫色の石が転がっています。僕が女王を引き付けるので拾ったら僕と女王に向けて投げてください」

フレイは簡単に言うがカルナは断る。

「お前が取ってこいよ それのが早ぇだろぉが」


取りに行きたくないカルナにフレイは続けて理由を説明する。

「僕が石を取りに行くのが一瞬なように女王がここまで来るのは一瞬です。それじゃ君達を守れない」

選択肢が決まってしまっているのがとても嫌なカルナは思った。

(スカイダイビングを強制的に飛ばされるのにパラシュート有がいいか無しかって二択を迫られてる気分だ)


嫌々カルナは石が落ちているビルに向け走り出す。

(おれ囮じゃねぇよな?)

不安げに走るカルナ目掛けて女王は弾丸のようなスピードで走り出す。

(クソが‼ 来やがった‼‼)

カルナに破壊と狂気に満ちた女王の拳が迫る。


DOOOON‼

フレイがカルナとの間に入り女王の拳を受け止める。

だがその腕から拳にかけて無数の触手が巻き付いており、それが一斉に解くように、広範囲に伸びて広がり、石に目がけて走るカルナを追う。


フレイはすぐにプラズマの矢を発して、触手を焼き切るが何本かは、ナイフのような触手がカルナに迫る。

「しまった‼」


歯を食いしばりながら走るカルナは

(何が二人は守るだ。俺は死にそうになってんじゃねぇか‼)


「こんなとこで…『拡散出力』死んでられねぇッッ‼」


ここへ来るまでに夢で見た自分が飛んでいたやり方を小手先だけで、見よう見まねで銃を後ろに放つ。爆風に飛ばされることにより、触手が届くことなく前へ吹っ飛ぶ。 


その勢いでビルに到達し転がりながらも意思を拾いあげ、フレイと女王に向けて投げる。

だが距離が届かない。


そんなことも見越してカルナは声をあげる。


「ゆい!!―――やれ!!!!」


ゆいは待ってました‼ とばかりに能力を使いフレイと女王の元に石を移動させる。

「いっけぇぇええええええ‼」



石がフレイと女王の元に届くと紫の石が閃光のように光輝く。

「フレイさん‼‼‼」


フレイは何かの言語を呟くと、カルナとゆいに向け言った。


―――二人共 よく頑張ったね―――


言葉と光が消えるとフレイも女王も消えていた。


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