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VIXI---蒼炎のカルナ  作者: ネコるんるん
一章 【日常との決別】編
33/163

第1-31話 追跡者

カルナとゆいは顔が引きつる。

「あいつ…追って来たのか」

カルナとゆいを獲物と認識しこの街で今の今まで探していたようだ。

大層、勤勉なことだ。

「フレイさん!」

焦りを浮かべるゆい。


だがフレイは独り言のように呟いた。

「一旦本部に帰ってからだと思ったのですが…」

考えた後フレイはゆいに自分の仕事の内容を話始める。

「すみません 次の仕事が、実はあの怪物退治なので逃げるわけにはいきません」


「kyakyakyakyakyakya a」

ゆらりゆらりと近づくシスターが一瞬にして目の前からビュンという音と共に消えた。

緊張のあまりかカルナの感覚がスローになる。


三十メートル程前方から聞こえていた声が横から…聞こえた。

「kyakyakyak」

カルナは横に視線を向ける。

真横にいるゆいの前に物凄い速さで移動したのだ。

もうすでにゆいの顔に手がかかりそうだ。

カルナは銃を構えようとするが遅かった。

(間に合わ…)


ゆいの顔に手が到達する寸前でシスターの腕をフレイが掴み、溶かして切断すると、相手の顔面に蹴り込み吹っ飛ばす。

「二人共 僕から離れないでください」

フレイの言葉にゆいは戸惑いながら子供のように返事する。

「はははい‼ わ、わわかりました」


壁に激突し瓦礫の中に埋もれるもシスターはまたも笑い声と一緒にすぐに這い上がって出てくる。

「kyakyakyakyakyakya kyakyakyakyakyaky kyakyakyakyakyakya a」



フレイが動揺し混乱している二人に仕事の事情を話し出す。

「ここ最近、この街の周辺で大ムカデの目撃情報が寄せられています。――考えられる原因として大ムカデの女王が潜んでいるからだと予測されていたので、現地調査と怪物退治の依頼が来ていたのですが」


シスターは体を変化させ体の体積が何倍にも膨れ上がっていく。

人の様な指が体から何本も何本も出てくる。


そんな様子を見ているフレイが続けて言う。

「こんなに早く女王を見つけられるとは思いませんでした」


四メートル程にまで膨れ上がった体には人の指のような触手が体全体から出ている。

大ムカデに比べると女王は随分小柄だが、凝縮された力を一度振るえば周りの地形すら変える。


女王はフレイの前に瞬間的に移動し拳を振りかぶる。

その際、触手のような指が女王の腕に伸びて巻き付き拳の威力を上げる。

フレイは魔法を発し氷の擁壁を築く。

だがそれは粉砕され、拳を止めることはできずに突き抜ける。

――突き抜けた先にフレイの姿はなく地面へ激突し破片や衝撃破が飛び交う。


地面からの衝撃で周りの建物が揺れて崩れだす。


フレイは先程の場から二人を抱えて少し離れたところへと移動していた。

建物が崩れ去る光景を見たゆいが

「フレイさん‼ マリルちゃんが‼」


カルナはまたゆいの言葉に耳を疑う

(こいつ)

殺されそうになった相手の心配をするゆいの言葉に。


おどおどとマリルの心配するゆいにフレイは

「大丈夫ですよ、女王が来た時には既に逃げる準備をしていましたし、彼女はもうこの世界にはいないでしょう」

「え? フレイさん それどういう…」

ゆいの質問が終わる前に女王がこちらへ迫る。

「来ました 少し下がって」


二人を後ろへ避難させ、フレイは前から凄い速度で迫る女王を迎え撃つ。


女王の一発目の拳を回避し、拳を突き出した腕を再び燃やし溶かそうとするフレイだが、切断できない。


(もう耐性がついたのか)

二発目の拳がフレイを襲う。

フレイは咄嗟に雷気を地面に発生させるが女王は止まらない。


(それなら)とばかりに氷の柱を出現させ相手の体と柱を組むようにして動きを抑えようとするが、女王は関係ないといわんばかりに拳を振り切りフレイに直撃する。


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