第1-29話 金色
上を見上げて倒れるマリル。
一言口にした途端に雰囲気が変わった。
ゆっくり立ちあがり、カルナへ向かってくる。
マリル目に殺意がこもっている。
先程とは違うプレッシャー
(雰囲気が変わった…)
カルナは銃を使う。
だが弾丸が自分へと跳ね返る。
跳ね返った弾丸をゆいが慌てて庇う。
「カルナ‼」
ゆいが能力を使用し、跳ね返った弾丸がカルナに届くのを阻止する。
カルナは何発か続けるが全ての弾丸が跳ね返る。
「――ッッッ能力は使わないんじゃなかったのか?」
そんなカルナの言葉を無視して五メートル程の巨大な斧を空中に、何個も形成してカルナ目掛けて降らし出す。
(――ふざけんなよ‼)
ガガガガガガっと幾度となく降り注ぐ斧を避けるため、回避に行動を移す。
カルナが避けきれない部分をゆいが斧の軌道を変えてアシストする。
そんなゆいに視線を移しマリルはゆいに手を向ける。
(――クソが‼)
カルナはゆいへの攻撃を防ぐべく、持てる手を尽くすがマリルは止まらない。
「ッちッ――クソ女‼ 逃げろ‼」
カルナは叫ぶ。
マリルが
「ゆいちゃん 邪魔だね」
ゆい目掛けて大量の斧が降り注いだ。
――だが斧は全てはじき落される。
佇む一人の男の手によって、
ゆいが驚きながらその青年の名を口にする。
「フレイ…さん?」
金色の髪に青色の瞳、白いコートに身を纏った洞窟で出会った青年だ。
「――心配になったので少し街に寄って良かった」
フレイは笑顔でゆいとカルナに
「ここからは僕が引き受けます」