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VIXI---蒼炎のカルナ  作者: ネコるんるん
一章 【日常との決別】編
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第1-27話 混沌とマリル (挿絵あり)

マリルがいた。

「――あれ?…… 二人とも来てたんだね」


さっきまで家に居た時と同じく、明るい表情を見せる彼女(マリル)だが、何やら雰囲気が違う。

雰囲気や言葉が重い。

「よかったぁ! マリルちゃんが連れ去られて心配ですぐに追って来たんだよ⁉」


「そうなんだね、ゆいちゃんありがと!」


ゆいがマリルに近づこうとしたら、カルナがゆいの前に手をやり引き留める。


「お前が座っているそれ、…なんだ?」

「――ん? ゴミ箱だよ?」

前にいるマリルが座っている大きなバケツ型のゴミ箱からは、血まみれの手がはみ出ていた。



挿絵(By みてみん)






「この辺で変死体が見つかってるって街で噂が流れていたが、―――お前か?」

「あはっ ――そうだよ」

マリルはあっさり即答する。


隠す気は更々ないようだ。

「ちなみにその制服…うちの大学のよぉ、有名なコスプレ女のなんだよ」

「そうなんだね、―――だから最初から怪しんでたんだね」


マリルは嬉しそうにスカートをひらひらさせながら言う。

「これ結構気に入ってるの」


カルナは毎度毎度トラブルに巻き込まれる。

むしろ、その中に入って行っている気さえする。


なんでも答えてくれるマリルにカルナは続けて聞く。

「――、あのスープになんか入れてただろ? それとそのデブ、お前を助けたんじゃねぇだろ?」

「あぁ ――そこも気づいてたんだね、」


ゆいは訳が分からない表情をして、困惑している。

「――えっ…マリルちゃん? どういうこと⁉」


「このゴミ箱に入っているおデブちゃんが、君達を助けたんだよ。――今となっては無駄に終わったけどね。ちなみにスープに入れてたのはあなた達の世界で言うとしびれ薬ね。」


ゆいの顔が引きつる。

信用していた人から裏切られると、どん底に落ちる気分だ。


そんなゆいの表情を見てマリルが話続ける。

「――ゆいちゃん大丈夫だよ? 今回使った毒の主成分はコノトキシンでペプチド。コノトキシンには多数の分子種があってね、神経筋接合部でアセチルコリン、ナトリウムや神経終末のカルシウムチャンネル等を阻害して、筋肉は即座にマヒして収縮できなくなるような優しい物しか入れてないよ?」


カルナが溜息をつく


「はぁ……しみったれたパンツなんて履いてんじゃねぇぞ 性格ブスがぁ‼」

カルナは言葉と共にマリルに向けて突っ走る。


「そんなのは履いてないんだけど…」


カルナが拳を振り上げる。


マリルの表情は相変わらず笑顔でカルナに質問する。

「じゃ性格ブスってことは、――私の顔はどう?」


「――まぁまぁだ‼」

カルナは、マリル目がけて、拳を振りぬくが当たらない。


マリルは目の前から姿を消した。


しかもカルナの目の前にいるのはゆいだ。


「――はぁ?」

(なんで俺がこっち向いてやがる?)

後ろからマリルの声が聞こえてきた。


「ありがとうね。――ご褒美に少し遊んであげるね」


「ッ――いらねぇよ!」

カルナは後ろへ振り向き様に銃を抜き、マリルに向けるが、まだ躊躇(とまど)いが残ってたカルナは撃つことが出来なかった。


だが混乱はさらに増える。

閃光の様に、紫色の光が輝く。


二人は眩しくて、顔を腕で覆う。


光が治まり腕をどけると、カルナやゆいが居た細い路地ではなく、景色も変わり違う場所へ移っていた。


「――躊躇(とまど)ってたら死んじゃうよ?」


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