第1-26話 迫る時間 (挿絵あり)
その頃、変態男に誘拐され目的地に到着したマリルは牢にぶち込まれた。
マリルを牢に入れた後すぐに誰かと連絡を取る。
「おれだぁあ~確保したどぉ~」
しばらくするとマリルが目を覚まし気が付く。
「ここ――どこ? あなた誰? 私家に居て…」
変態男は息遣いを荒くしマリルに近づく。
「やめて…来ないで‼ なんで息遣いそんなに荒いの⁉」
「ハァハァハァハァハァハァハァハァハァ」
まるで蒸気機関車のような勢いで彼女に迫る。
変態男を追うカルナとゆいはまだ辿り着けずにいた。
もう少しのところで男が人目の少ない路地に入って行き目撃情報が途絶えたのだ。
「おい お前の変な能力で探すことは出来ねぇのか⁉」
「人探しなんてそんなのやったことないわよ」
「お前が先陣切ったんだろ? お前がなんとかしろ」
「あんたも探しなさいよ」
言い合いしながらでも何だかんだやってみるゆいは少しづつだが能力の幅が広がってきている。
「んんl―――、んんんん」
「居たか?」
「喋りかけないでよ! こっちは真剣なんだから‼」
五分が経過する。
「まだか?」
「だから喋り、――あ! いた‼」
ゆいが見つけたのはここから八百メートル程先の使用されていないビルの地下にいる。
「カルナ! 急ぐよ!」
(こっちのセリフだ)
と思うカルナだが今はスルーに徹している。
二人は急ぎビルに走る。
「裏から行くぞ」
二人はビルの裏へ回るのに路地へ入ると…そこには