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VIXI---蒼炎のカルナ  作者: ネコるんるん
一章 【日常との決別】編
21/163

第1-19話 砂漠の旅 ⑨(挿絵あり)


上の二人とは別に、カルナは砂漠の地下で歩いていた。


渦の下が、まさか地下へ繋がっていたのは奇跡だ。


地下は神秘的な洞窟のようになっていて、風が少し流れて吹く。


微だが、所々に明かりが入ってくるため真っ暗という訳ではない。


外とは違って太陽に当たらず熱くないため、体力の消費も抑えられる。

カルナは迷わないようにと目印を、通った箇所につけて歩く。


――しばらく歩くと倒れている人影が見えた。

見たことがあるシルエットだ。


それはカルナが何度も殺されかけた相手である。


無視して置いていこうかとも少し思ったが、そこまで人間は腐っていない。



先ほど、ゆいが落ちていった砂漠の裂け目は、偶然にも、砂漠の地下に広がる地下迷宮に繋がっていたのだ。


ゆいを見つけたカルナは声をかける。

「――おい 猫かぶり、生きてんのか?」

カルナの声でゆいは目が覚める。


「んっ…なに……⁉。最悪…」

「あぁ? ――こんな状況になったのは、お前の自業自得だ」

「…… 怪我してる女の子に向かってその言い方はないんじゃない?」

「俺も怪我はしてる」

「私の怪我の半分、原因はあんただけどね」

「そうだな…」


素直に認めるカルナにゆいは続ける。

「私を殴ったことや色々、―――絶対許さないから」

「…そうか、じゃぁな」


「‼ ――――etc!!!!…」

――――省略―――


しつこく罵声を続けるゆいに、(やはり薄情でもなんでもいい)と考えたカルナは、ゆいを置いて前へ進み出す。

その行動にゆいは

「この人でなし‼ 普通置いていかないでしょ⁉」


カルナはゆいがあのトンネルで馴れ馴れしく、わざと明るく喋りかけてきた時から、恨んでいたのは知っていた。

ただ殺そうと行動に移してくるところまでは予想できなかった。


一番予想できなかったのはこうへーだ。

(まさかのタイミングでやられた)



後ろから、何度も名前を呼ぶ声があり、振り向くと

「… カルナ …取りあえず嫌だけど肩貸して…」


ゆいからのお願いに耳を疑った。


ただ一言余計だった。

「あぁ? 嫌ならそのまま座っとけよ」

「あんたは私に色々負債があるの」

「なんのだ?」


ゆいの口から恨みつらみが出てくる。

「etcetcetcetcetc…」

(うるせぇ)


聞くに堪えなくなったので、引き返して仕方なく肩を貸し二人で地下を進むことにした。


「とりあえずあんたへの恨みは、ここを脱出できてからにします」

「――まだやんのか? 置いてくぞ」


道が右へ左へと入り組んでいる。正解を導き出すのは至難の業だ。

(この道であってんのかぁ?)


ホントに出られるのかさえ怪しくなる。

けれど一人じゃないだけ下手に考え込まずに前へ進める。


途中でゆいが口を開く

「――さっきね、レン君の声が聞こえたの…」

「………」

「レン君が、もしかしたら…」

「……」

(道理で少しご機嫌な訳だ)


今にも泣きそうで、嬉しそうなゆいの顔を見てカルナが

「ついに妄想癖まで…やっぱ頭いかれたか?」

「‼ etcetc…」


カルナの余計な一言で、ぎゃーぎゃーと喚くゆいと先へ進むと、少し広い空間へと辿り着いた。


「綺麗…」

ゆいがボソッと口に出す。


神秘的な場所である。

インターネットに載れば、たちまち拡散して観光客が訪れそうな程、幻想的な場所だ。

穴が開いたところから光が差し、その光とは別に辺りの壁が青白く輝く。



挿絵(By みてみん)





その輝きの中に佇む誰かがいる。

その誰かはこちらに気付き話しかける。

「君たちは?」


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