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12.突然の告白


 僕が2度目(現実逃避の気絶から)の眠りから覚めたときには、山へ行く気力はなかった。だが僕のこの混乱状態(プラス)ライフポイント(ゼロ)の僕を無理矢理連れ出したのは魔法使い様。


 村中がなぜか僕たちに祝福モード。なぜに???


 このの疑問も人々がピンク色の紙を手にしていることから発覚。ピンク紙には『魔法使い様と僕は〇月〇日正式に結婚を前提としてお付き合いをはじめました(はーと)』と書いてありマスタ。


 ダレや、こんな偽情報流したヤツ……はい、僕の隣にいる魔法使い様ですね。わかってます、わかってます。でも言わすにいられませんよね。


「ようやく薬屋の3番目も結婚が決まったのか。めでたい!めでたい!」


「おめでとう!魔法使い様も良かったですね。薬屋の3番目も今度は幸せになるのよ!」


「なに言ってるの、あんた。魔法使い様だよ、薬屋の3番目は幸せになったも同然じゃないか!」


「運命的な出会い!身分違いで離れ離れになるが恋人!ド田舎まで追いかけて熱烈な求婚!!…私もこんな物語みたいな恋がしたーい!!」


 そんな事実はない。恋人ということにはなっているが魔法使い様から告白もされたことないし、たぶん勇者様のことで慈善的に僕と恋人になってくれているようなものだ。


 こんな偽情報まで流して僕に気を使ってくれた魔法使い様に申し訳ないなーと、横目で魔法使い様を見れば…魔法使い様が黒い笑みを浮かべてしました。


「ありがとうございます。結婚を前提にお付き合いしてますけど、まだ少しは恋人気分でいたいので暖かい目で見守ってもらえれば嬉しいです」


 何今の一瞬絶対黒い笑み浮かべてましたよね。あれ?これは、どういうこと?えっ?えっ?


 更に混乱する僕は村人たちに魔法使い様とのことを訂正する暇もなく、手を繋がれたまま山の中へ入って行く。




 薬草摘みは基本早朝のほうがいい、貴重な薬草は早朝のほうが生きがいいから。まぁその他の薬草積みならいま僕がしたいるようにブチブチ抜けばいいのだが…。


「楽しいですね、薬草積みは」


「はぁ…」


「ああ、ほら、薬草積みはもっと繊細に摘まないと、お母さんに怒られますよ」


「僕のお母さんと仲がいいのですね」


「もちろんです!お母さんはもとよりお父さんとも君の兄弟とも仲良しです。俺は君の夫になるのですから」


「そのことですが、もういいですよ、僕に気を使わなくても。もうやさぐれるのもやめます。前向きに…はまだまだ無理ですが、亀の歩み程度には前進しますから」


「もしかして、俺が君に気を使ってそう言っていると思ってる?」


 怪訝な顔をしている魔法使い様に、それ以外に何があるの!的な視線で答えてみれば、予想外の言葉が漏れた。


「君のことを勇者から聞いてからずっと気になっていました。それが恋だと気づいて君に会いに来ました。初めて会ったのに初めてじゃない感覚…これは勇者のせいなのですが、俺は君に会えて本当に良かったと…改めて、君に恋していると、俺は君が好きです」


「ふへぇ?」


 まさかの展開ですよね、奥さん!!いやいや、僕は誰に話しかけているんだ?動揺して手持ちの薬草ぶちまけ逃走を図ろうかと画策していると、魔法使い様は僕を抱きしめブチューという効果音を僕の口に放ってくれて…。


 本日何度目かの睡眠(現実逃避の気絶)に入りました。


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