フクフクショートコント『三本の矢』
本馬快奈と聖沢洋介が正座で向かい合う。舞台の上手側に座る快奈は右隣に矢を置いている。
其の壱。
「ここに三本の矢がある」
「はい」
「一本だと簡単に折れる」
ボキッ。
「はい」
「だがこれが三本だと……あれ? 二本しかない」
其の弐。
「ここに矢がある」
「はい」
「一本だと簡単に折れる」
ボキッ。
「はい」
「だがこれが三本になると」
ボキッ。
「あっ」
「あっ」
其の参。
「ここに矢がある」
「はい」
「一本だと簡単に折れる」
ググッ。
「……」
「簡単に折れる」
グググッ。
「……」
「簡単に……」
ググググッ。
其の肆。
「ここに矢がある」
「はい」
「一本だと簡単に折れる」
ボキッ。
「はい」
「だがこれが三本になると折れない」
ググッ。
「はい」
「だからお前たち兄弟も力を合わせて生きていきなさい」
「矢に大事なのは攻撃力では?」
「……」
其の伍。
「ここに三ツ矢サイダーがある」
「え?」
「今日はサンフレッチェ広島が勝った」
「え?」
「祝おう」
「本馬さんバファローズファンだったんじゃ……」
「という夢を見たんだ」
「まさかの夢オチ!」