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迷走中  作者: 渋谷奏
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JRS2 初めてのスマホ

 最新のAIを搭載した人型変形スマートフォン「ジャパロボ」と人間が互いに助け合って生きている世界。この世界ではスマホ同士を戦わせる「ジャパロボ・バトル」が盛んに行われており、多くの少年少女たちが最強のジャパロボ・マスターを目指していた。


「やったー! やったぞー!」

 日本に住む少年、十七夜翔カノウカケルも「ジャパロボ・マスター」に憧れる1人。

「JRSからスマホが届いたぞ! 俺もジャパロボ・バトルに参加できるぞ!」

 彼は16歳の誕生日に、スマートフォン「ジャパロボ」の開発企業JRSからジャパロボを貰って、ジャパロボ・バトルに参加することになった。


「おばあさん、重たそうですね。荷物を運びましょうか?」

「ありがとうございます。」

 しかしカケルは、そのジャパロボ・バトルの朝におばあさんを助ける。

「しまった!? もう、こんな時間だ!?」

 慌ててジャパロボ・コロシアムに向かった。


「う、売り切れ!?」

 しかしジャパロボを強くする、強いジャパロボのケースや、ストラップは売り切れた後だった。

「んん? 廃棄品? カーズ? 呪いのジャパロボ・ケース? まあいいや。タダだから。」

 そんなカケルが売店で貰ったのは、ご自由にお取りくださいという廃棄品のジャパロボのケース・カーズ。

「なんだ? このケース? 汚いな。」

 ボロボロの容姿のカーズにカケルは落ち込む。

「とりあえず、ジャパロボにケースを装着させてっと。できた! 俺の名前は、カケル。おまえの名前は?」

「カーズ。」

「不愛想な奴だな。それとも無口な照れ屋さんかな?」

「別に。」

「おまえは沢尻エリ〇か!? まあ、いいや。ジャパロボ・バトルへ、ゴー!」

 こうしてカケルの戦いは始まったが、カケルは、相棒のカーズに対して心を開こうとしなかった。

「俺は、ジャパロボ・マスターになる!」

 カケルの夢は、ジャパロボ・バトルに優勝して、ジャパロボ・マスターになることだった。


「デカイ!? ここがジャパロボ・コロシアムか! スゴイ!」

 カケルは、ジャパロボ・コロシアムに着いた。初めて見るジャパロボ・コロシアムは、カケルは興奮して、胸を高鳴らせる。

「君は、ジャパロボ・コロシアムは初めてかい?」

「そうなんだ。やっとジャパロボが当たって、ジャパロボ・バトルに参加できるんだ。」

「僕と一緒だね。君もジャパロボ・バトルに参加するのか。」

「俺は、カケル。お互い頑張ろうぜ。」

「僕は、キズク。よろしく。カケル。これは僕のスマートフォン、ジャパロボのナイト(騎士)だ。」

「ナイトです。宜しくお願い致します。」

 キズクのスマホは、騎士の鎧の姿をしたジャパロボだった。

「礼儀正しいな。」

「ナイトは、騎士道精神を持っているからな。」

「俺のジャパロボは、カーズだ。」

「プン。」

「ごめんな。俺のジャパロボは愛想が悪いんだ。アッハッハ・・・。」

「僕は毎週出ているんだ。」

これが俺と喜多村築キタムラキズクとナイト(騎士)の出会いだった。

「JRSの主催するジャパロボ・コロシアムは毎週開催開催されていて、日本ダービーや有馬記念など、毎週毎週、色々な大会があるんだ。」

「へえ~! キズクはジャパロボのことを詳しいんだな。」

「まあね。JRSは、ジャパロボ・コロシアムで行われるジャパロボ・バトルをカジノ化して、お客さんが優勝者を当てるんだ。」

「へえ~! 面白そうだな。俺のオッズは・・・1000倍!? 俺って、弱いんだ!?」

 カケルは、自分の掛け率の高さに驚き、自分が期待されていないことにショックを受ける。

「ハッハハハ。仕方がないよ。カケルは、ジャパロボ・バトルは初めてだから。」

 キズクは、落ち込むカケルを慰める。

「よし! ジャパロボ・バトルで活躍してみせるぜ!」

 カケルは、ジャパロボ・バトルでの活躍を誓う。

「それは無理だな。おまえの初戦の相手は俺だからだ!」

 その時、大きな男が現れる。

「誰だ!?」

「おまえは小八重!?」

「コバエ?」

「こいつは、元ジャパロボ・キングだ!?」

「ジャパロボ・キング!?」 

 現れた小八重豪こばえごうは、ジャパロボ・バトルで優勝して、ジャパロボ・マスターの称号を持ち、ジャパロボのキングを決める大会で優勝した経験がある。

「そう! この俺は、ジャパロボ・キングにもなったことのある男だ!」

「元でしょ? 元。ブッフフフ。」

 カケルは、ゴウが元キングと聞いて、バカにして笑ってしまう。

「何を!? 俺は男で唯一のチャンピオンになったことがある男なんだぞ!?」

「唯一?」

「そうだ。あいつが現れるまでだ。」

「俺を倒した、あの女め。」

「あの女?」

「現在のジャパロボの王者であり、ジャパロボ・クイーンである、渋谷奏だ!」

 ジャパロボ・バトルで女王として君臨する女子高生、渋谷奏しぶやかな

「彼女のジャパロボは、ディーバ(歌姫)スマホ。高性能のスピーカーを搭載していて、誰が歌っても、上手に歌が歌える。邪悪な心も、純粋な心にしてしまう歌声。誰も彼女には勝てないだろう。」

「そんなに凄いのか?」

「俺も決勝で戦って、あの女の歌で、歌如きにボロボロにされて、キングの座を失った。」

「耳栓をすればいいだけじゃないの?」

「アッハッハッハ! そんなことで防げるんなら、苦労はしないよ。」

「まったくだ。これだから素人は困る。今は充電中の俺のスマホを見たら、ビビって逃げ出すんじゃないか? ワッハッハー!」

 キズクもゴウもカケルのことを笑う。ジャパロボもスマートフォンなので、充電を行ってエネルギーを回復させる。

「勝負は、ジャパロボ・バトルで着けてやるぜ!」

 カケルは、決意を新たにジャパロボ・バトルに挑むのであった。

 つづく。

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