表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/3

第2話 そして異世界へ


「・・・消されるってどういうことだよ?」



消え入りそうな声で彼女にたずねる。



「ん?文字通り消えるんだよ。人々の記憶から、君がしたこと一切合切すべてが消えるんだよ。」



「!?なんで・・・そんな・・・。」



「そんな?」


ゾクリと、背筋が冷えるような視線に変わる。




「その反応はないんじゃないかなぁ。ソウイチ君?だってこれは君が望んだことの一つでもあるんだからさ。」


俺が・・・望んだ?


「世界から消えたいと願ったのは君じゃあないか。」



いや、違う。それは・・・



「どうでもいいと投げ出したのは君じゃあないか。」



確かにそうだ。でも・・・




「あーー!!!もう!!!」


・・・!?


「めんどくさい。めんどくさいよソウイチ君。この問答が無駄。無駄も無駄だよ。とにかく君は転生するしか選択肢がないのさ」



先刻までの表情とはうってかわって、蔑むような視線で彼女が僕を見る。




「君はもっと足掻くべきだった。藻掻くべきだった。それを怠慢にも放棄した君はこの試練を受けるしかないのさ。」




「俺が一体、何をしたってんだよ!!」


こんなの理不尽だろ。おかしいだろ。なんで消えなきゃならない。俺したことはこんなにも罰を受けなきゃないものなのか?




「したさ。したよ。君は。だからこその転生さ。」



はぁ。と、ため息をついて彼女はこちらに向き直る。



「これ以上押し問答したってしょうがない。本題に入るよ。」


「いや!俺はまだ納得してい「〝黙って〟」・・・」



なんだ?口は動いているのに声が・・・でない。



「〝気をつけ〟からの〝正座〟!」


途端に流れるような動作で気をつけし、正座をする俺。一体どうなってんだ・・・。




「ふふふーん。これはねぇ?神様の特権てやつだよ!あ、なんか仏頂面だとつまんない。〝スマイル〟!」



にこぉ!と素晴らしい営業スマイルになる俺。

この女。ふざけてやがる。



「いい顔になったね!ソウイチ君!では説明をはじめよう!」


もう俺には聞くしか選択肢がないじゃねえかよ。




「転生といってもね。肉体、顔は表面上は今のままだね。中身は異世界仕様にちょこっといじくらせてもらうよ?あ、でもそんなチートみたいな感じにはならないからね?そこらへんの村人Aくらいの強さかなぁ。といっても現代人からしたら中々の肉体能力だよ?ここまで質問があったら言ってねー!」


言おうにも口も何も動かねーよ!




「ふふーん。ないようなので続きいくよぉ!」


こいつ。本当に性格が悪いな。



「転生先はハリス草原。ラピス王国の東の辺り・・・といってもわからないよねぇ。まぁ、自力でそこは頑張って!あ、言語は調整してあるから安心してね。会話は問題ないよ!」



つまり、文字の読み書きは自力で覚えろと。



「魔法とかあるよ!頑張って覚えてね!じゃ、これで説明おわり!」


おい、アバウト過ぎるだろ!?




「あ、ごめんごめん。試練の説明忘れてた。試練は全部で7つ。達成したらその都度ご褒美があるよ!試練の内容、ご褒美はその時のお楽しみ!」




・・・そろそろ、顔の筋肉が吊りそうなのだが。

考えてみて欲しい。全力スマイルをずっと続けたらどうなるかを。




「最初の試練は生存。頑張って生き残るべし!」




「じゃ、ボチボチ転生しちゃおうか!〝解除〟」




「ぷはっ!おい!まだ何も納得してねえぞ!」



「納得も何もないよソウイチ君!君はただ従うのみさ。」

にひっと笑顔を向けてくる。くそ!憎たらしい。



「では!ご武運を祈るよソウイチ君!試練を達成したらまた会えるよ!〝転生〟!」



途端に、俺の足元に10メートル程の魔法陣が広がり瞬く。



「おい!待てよ!まだ俺は何も・・・!」



光が増し、視界全てを覆い飲み込んで行く。








「じゃあね!ソウイチ君!そしてようこそ!」


























「監獄世界ネクステラへ。」



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ