鬼畜なプロローグ
死ぬ時ってどんな気持ちだと思う?
恐怖、興奮、安心、怒り、悲しみ、憎しみ。
その人の環境や人間性、死ぬ時の状況によって色々感情は変わると思う。
殺された人は犯人に憎しみと恐怖を抱くだろうし、病気の人は病に対して怒り、残す人があれば寂しさや悲しみを抱くだろう。
まぁ、推測でしかないんだが。
察しのいい人は気付いてるかもしれない。
そう、俺は1度死んだ。
前世は日本で、特にこれという取り柄もない凡人だった。
死因は・・・まぁ、あまりいい死に方ではなかったとだけ言っておく。
とかく、俺は死んだ訳で。
死ぬ時にあった感情は恐怖と安心と無感情。
無感情ってのは矛盾してるように見えるけど、何というか・・・。
そうとしか言えない。語彙力が足りなくてすまんな。
重いプロフィールになってしまったが、要約すると俺は1度死んだという訳だ。
そして、俺はとある神によって転生した。
今は転生して七日目。戦地病院?のような場所に入院している。生きてるのが不思議な重症だったらしい。
俺はどうやら試練というのを突破したらしく、その報酬でとある神から日記帳とペンをもらい此処に記している。
どうして、日記を書いてるのか。
俺にも自分の気持ちがよく分からない。武器とか防具とか魔法具とか、これから役立ちそうなものを頼めばよかったのに。
ここまで、読んでくれた君も薄々感じているだろう。
俺の異世界転生は、ネット小説の創作物なんて目じゃないくらいのハードモードだ。前世の世界に比べていいとこなんて全然無いね。まぁ、生きてる実感なら数百倍くらいあると思うが。
・・・日記を書いていて、なんで俺がこれを報酬として貰ったか少しわかった。
書いていると、自分が生きてる事が感じれるからだ。
最後に、この日記を見ている君へお願いがある。
とある神曰く、試練を突破したのは俺で3人目らしい。
正直、俺が試練を超えれたのは奇跡としか言えない。
そしてこの先も奇跡が続くとは限らない。
だからこその頼みだ。
そんなに大したものじゃない。
俺の名前を覚えておいてくれ。それだけで気持ちが少しは浮かばれるんだ。
俺の名前はソウイチ。
前世の名前はこれしか分からなくてな。
もしかしたらソウイチロウだったかもしれないし、そのままなのかもしれん。まあ他愛のないことだ。
・・・そろそろ日記を締めようと思う。
特筆する事もないし、これもただの自己満足だしな。
うん。歓迎の言葉でもしたためるとしよう。
ようこそ。転生者の君。
この鬼畜な異世界『ネクステラ』へ。
小指です。
ここまで読んでいただけたあなたに最大の感謝を!
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