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神になった日

作者: タマゴ大臣

どうも、なんと驚くべき2作品目というやつです。

人間ってエゴが過ぎるのでしょうか。



20年ほど前の話だ。

たしか僕が高校2年生、夏休みが過ぎ

昼は日差しが強くても風は涼しく、

夜は寒い頃合だった気がする。


その日の朝はいつもよりすこしはやく起きて

朝ごはんを食べながらニュースを見ていた。

美人なアナウンサーが


「日本の生物学者のM氏が世紀の発見をしました。」


そういうとM氏の記者会見の映像が流れはじめた


(集まっていただきありがとうございます。

私、Mは受精卵に関する新しい発見をしました。)


その途端にカメラのフラッシュがM氏を包み

何処か薄気味悪い会見場所は一気に眩しくなった事を今でも鮮明に覚えている。


その後に続き、M氏は研究の結果を淡々と話していた。


(受精卵が細胞分裂する際に、

新しい精子と特定の電磁波を流すと、

その受精卵の精子が新たな精子に上書きされてしまう事を発見しました。

この一連の流れを我々は「上書き受精」と称します。)


とM氏は言い放つと、記者の質問と同時にフラッシュがまたM氏に集まった。


朝から携帯でみんなと

「M氏よく分からんがすんげぇな!」

「そこらの牛が高級牛にも変われるってことだろ!」

とチャットで大盛り上がりだった。

その時、友人のYが


「いつか人間に適応されるのかもな。人間は神みたくなるな!」

と言った

みんなは一斉に「有り得ねぇよw」など

Yの言うことを小馬鹿にしていた。


その年から急速に日本の生物学は進歩し、

いつしか世界トップは日本という概念が出来ていた。


上書き受精は徐々に進化していった。

花にも動物にも適応される事が発見された。



「先生…そろそろ」



ふと、後ろから声が投げかけられ

我に返る。声の主はアシスタントからだった。


「すまない、昔の事を思い出してたよ。」


僕は、彼女にそう言うと、

意を決して ドアを開いた。


すると太陽の日のように眩しいフラッシュが

いくつも目に飛び込んでくる。


こざっぱりした部屋に入り、

壇上の真ん中に立つと


神みたくなれるな!


20年前、Yが言った言葉が

不意に思い出した。




今の時代だと有り得るんだよな




自問自答するかのように、僕は返事した。


深呼吸をして、読み上げるはずのカンペを

右手でグチャっと握りしめて言った


「私はM氏が発見した上書き受精が

人間でも行うことが可能であると発見しました。」


その瞬間、僕はフラッシュの光に包まれていた。

あの時のM氏の様に。





最後まで読んで頂き有難う御座いました。

自分は結構、欲深く、

すぐに あれもしたい これもしたい ってなってしまいます。


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