プロローグ
すみません!一話目に割り込みでこの話を入れました!どうしても入れたい内容だったのでかなり文量が少ないですがお許しください!
「ーーヴァ」
いつもの朝。変わらぬ日々。彼は自分のことが嫌いだ。
かけられた期待。しかし期待に応えることはできない。それは自分の所為ではない。皆もそのことを分かっている。
「アルヴァ」
彼はこの声が嫌いだ。この人は何も悪くない。この人は期待に応えることができた。それだけだ。
血は繋がっているはずなのに。なぜこの人だけ。
今日も彼は自分を嫌い、この人を嫌い生きていくのだろう。
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兼島光一は今日も学校の剣道場で練習を行なっていた。歳は17。彼は高校二年生にして全国大会優勝を成し遂げている。既に高校生の中で彼に及ぶ者はいないという状況だ。
光一は容姿も中々に整っていて、女子生徒の間でも人気がある。彼には学校生活に何一つ不満はなかった。はっきり言って学校生活を満喫している。まだ彼女はいないができるのも時間の問題であろう。
練習が終わり帰り支度を始める。防具を片付けバッグの中にあった替えの服を着る。光一は一人だけ遅くまで練習をしていたせいで、今日は一人で帰ることになる。彼は剣道場の戸締りをし、学校の校門を出た。
すると突然激しい目眩に襲われた。身体の自由が奪われる。助けを呼ぶ間もなく視界が暗くなる。光一はそのまま気を失った。