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霧の放出
ここに来て亜実に一目置かれそうなエタースではあるが、正々堂々と対峙する気にはならず、墓地裏の雑木林の中にどうにか移動した。
木枝の上にいて、薄目を開けて亜実を見ている。
「よし、酔いはさめてきた」
酔っぱらったエタースは、先程までは、眠る寸前であった。
しかし今のエタースの体からは、徐々に酒が抜けている。
エタースの体から、霧が出ている。
神胃によって生成された、神酒を、体外に放出しているのだ。
幻覚物質や睡眠導入物質、毒を含む霧が、代わる代わる作られ、、風に流されて、風下の亜実たちの方向へ流されてゆく。
辺り一面が、いつの間にか霧に覆われていた。
エタースは眼下に目を向ける。
するとそこには、地に伏せて息を潜めるデイヴと、意識を失ったままのジアナ。
「女とドワーフ。酒が抜けたら、どちらもいただいてくとするか」
一層濃い霧が、エタースの体から放たれる。
デイヴが眠りこけてしまったのは、間もなくのことであった。




