表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
664/2233

怖れる穴倉

背筋に怖気がはしる。

穴倉は、歯を剥き出しにして、少年を睨み付ける。

敵意と殺意、そして恐怖が穴倉の心を支配する。

それは、自分をかつて軽々と八つ裂きにした、あのゴブリンの騎士に抱いた怖れよりも、遥かに大きい。


「何者だ!!」


つい強くなった語気に、穴倉は自分で驚いた。

そしてそれが、自嘲の感情となって、穴倉を束の間微笑ませ、心を落ち着かせた。


「ここは、お前の世界か」

「そうだね」


銀髪の少年は顎を上げ、笑みを浮かべながら答えた。

風が吹く。

穴倉はしばし沈黙し、考えを巡らせる。


やってくれたね、と銀髪の少年は言った。

十中八九、カプリスたちの捕食と、この神殿の破壊についてだろう。

そこに怒気も混じっていた様な雰囲気だった。

ということは、何かしらの被害を、この少年に与えたということだ。


「カプリスとじいさんは、喰わせてもらったよ」


銀髪の少年の顔が、険しくなる。

穴倉は意識して、悪戯っぽい声をあげたつもりだが、声が震えていることを、自ら実感した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ