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窪みに帰る

穴倉の足では、スピードは出ない。

ぺたぺた、ぺたぺたと、短い足を動かして歩く姿はペンギンの様で、異種喰いの魔物というより、愛玩動物といった風である。

だが、ここには穴倉以外に誰もいない。

よって、穴倉が誰かに笑顔混じりで見られることはない。


「早歩きにするか」


穴倉は頭の口を開ける。

頭が左右に割れ、中から一斉に触手が飛び出した。

そして蜘蛛足の様に動かして、高速移動を始める。


これを見れば誰もが、穴倉を愛玩動物の様だ、などと、間違っても思わないだろう。

誰もいないので、誰かが何かを思うことはもちろんないのではあるが。


続けて穴倉は、ヘリのローターの様に、二本の触腕を頭上で高速回転させる。

そして飛び立った。


「最初からこうすればよかった。あっちか」


床は夕闇の中で輝いていて、その中で、溶解液によって出来た窪みの部分の違和感が目立つ。


そして穴倉は、窪みの傍らに降り立ち、窪みに入って横たわった。

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