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隠身セオドール
そしてもう一人の少年タツキが剣の柄を手にする。
「お前ら、呑気に戦ってていいのかよ?」
戦闘中とは思えない様な、ややもすると楽しげな色を含んだ一言。
セオドールは見下す様な笑みを二人の後方に向ける。
気付いたゴウが慌てた声をあげる。
「タツキ!ネネクレアがいねえ!」
「!?」
自分たちの後方にいたはずのネネクレアのみならず、セオドールの後方にいたはずのダーハムもいない。
二人が後方に注意を向けた瞬間に、セオドールはスキル・隠身を発動する。
するとセオドールの姿が消えた。
姿形のみならず、ステータスまで隠す高性能スキルである隠身は、盗賊や忍でも一部の者しか使えない高位スキルである。
LV1の地下廊二人に破れるものではない。
「隠身かっ!」
「くそっ、こんなことって!」
タツキもゴウも、ネネクレア、そしてセオドールを必死に探す。
しかしそこには既にいないのである。




