木の実
更新忘れて寝そうでしたデヘヘ(o´∀`o)
「ぐっすり寝てやがんな」
歩を進めるセオドールは、アダムの寝顔を見て、疲れた笑顔を見せた。
遭難はさらに深まり、今や本当に、自分たちがどこにいるのかわからない。
「何笑ってんだよー。お腹すいたよー」
「うるせー」
どうしたわけか、アダムの体調に問題はない。
痩せもせず、太りもせずで、亜実が離れ際に何かを施したことは明らかだが、それが何かはわからない。
「まあ、確かに腹は減った」
食物を口にしないということは、意外な程、精神を蝕むもので、セオドールも、何かを口に入れたい気持ちはあった。
故に、ダーハムの言うこともわかるのだが、現在、食べるものがあるかと言えば、ないのが現状なのだ。
木々が青々と繁る今、木の実を口に出来る機会はある。
だが、セオドールも、ダーハムも、どちらともなく食するのを避け、友となった亜実と重なる、という話をしてしまったが為に、二人とも引っ込みがつかなくなっていた。
「セオドール、美味そうな実がなってるよ」
「うるせー。じゃあお前が食え」
「そうは行かないよー。俺は言ったことは守る」
「俺だってそうだ。見くびるなよテメー」
だが、ずっと野での生活は、やはり気持ちがささくれる。
二人が苛立ちをぶつけ合う、その時だった。
「ひいっ、森人が現れたのです」
少女の声がした。
少年少女が、目の前にいた。




