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転がる運命
「穴倉…。」
「何?」
俺たち、仲良かったよね?
「何でいなくなったん?」
「何となく。」
何で俺に声かけないでいなくなったんだよ?
「異世界で、何となく一人になるん?」
「俺はね。」
俺、お前にとって何なの?
「え、何で何となく一人になったん?」
「それが俺には自然だったから。」
俺、お前にとって、何でもない存在だったってこと?
「いや、お前の自然って何?」
「今、俺がモンスターとしてどうあるか。」
ああ、こいつの心の中に、俺の存在はないんだ。
「お前、これからどうすんの?」
「俺は、これまで通り。」
別の道を行く訳だな。わかったよ。
「そうか、じゃあな。」
「ああ。」
俺、お前のことが何か許せねえよ。穴倉、俺たちが一緒にいた時間って、何だったんだ?




