だから爆発はやめようって言ったのに!
アプリコットに殺到せんとする全員の眼前に、何かが二つ、勢い凄まじく、落ちて来た。
地が割れ、周りに謎の大爆発が複数起こる。
熱風が全員を後退させた。
「うぇっほ、ゴッホ、げっほ、ゴホゴホ、うぉっほん!あぁぁぁぁぁぁ、ゲヘッゲヘッ、埃っぽいわ!誰だ派手に爆発させて登場しようとか言った奴!くそがよ!」
砂埃の中から、肩をいからせ、がに股で、ひょこひょこと歩く少女が出て来る。
長い金髪は爆発で縮れ、こんもりと、巨大な鳥の巣の様に頭に乗っかっている。
要はアフロだ。
大きな紅い瞳は怒りに満ち、歯軋りをしている。
何故か下着姿で、半裸の出で立ちだ。
「あんたでしょ!だから爆発はやめようって言ったのに!かっこよく登場なんて、やっぱり出来なかったじゃない!」
その後ろから、黒髪で切れ長の目の少女が現れた。
金髪の少女より背が高く、すらりとしていて、和服でも着れば、その凛とした美貌が一層引き立つだろう。
しかし少女が着ているのは、ピンク色のエプロンドレス。
身長にサイズが合わず、スカート丈が短い。
つんとした表情でそっぽを向く。
「出た出た、オイ!俺だけのせいにするやつ!」
「あんたのせいでしょ!私は一応やめようって言ったわ!」
「オイ、ふざけんなよ!止めたの最初だけで、後はむしろお前がノリノリだったじゃねぇか!俺はお前の尻に敷かれて、選択権なんかなかったわ!なすりつけてんじゃねぇ!このちっぱいスライム!」
「なっ!胸は関係ないでしょ胸は!」
「もはや俺の方がおっきいわ!」
「ムカつくわ、あんた!このアフロ!」
「何ィ、アフロ!?え!?アフロ!?」
アリスと瑠璃である。




