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なす術なし

亜実は光のエネルギー球を作り出し、セオドールは闇の魔力、ダーハムは地の魔力を歌に乗せ、特異点に幾度もぶつける。


しかし特異点に飲み込まれ、重力異常を元に戻すことは出来ない。


「おいちょっと俺らだけでやってみるか」

「早く早く!やろーよ」


セオドールとダーハムは、最大出力での歌を試みる。

しかし、重力渦は大きくなり過ぎており、歌を飲み込んでゆく。


「どーだ!?」

「効いてないと思う!やばいよー!ねーどーすんのー!?」

「うるせー!こんなところからやってても見えねーし俺に聞くんじゃねー」


そうなのだ。

上空高く、いや下空低くに存在する重力渦は、セオドールとダーハムの肉眼では確認出来ない。


亜実だけがバイザーに映し出される重力渦を見ている。

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