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仲間になろう

ムーラン商会のドアが開く。

中から出て来たのは、迷惑そうな顔をした老婆キーネだ。


「騒がしいねえ。おやネネクレア、パーティー組めたのかい。ならさっさと植物採集にお行き。ほら、そっちの二人、これは弟子を手伝ってくれるお駄賃だよ。さあ、店の前からとっとと消えとくれ」


そう言ってキーネはタツキたちに一本ずつポーションの瓶を手渡した。

薄い青みがかった瓶の為に、中の液体の色はわからない。

だが、高度な精製技術によってでしか実現出来ない、透き通った液体が入っているということは(うかが)い知れたので、それが高価なものだということだけはわかった。


「これ多分、戦闘用のレアポーションだよね。植物採集手伝うだけでこんないいものもらえるなら、ちょっとありだよね」

「ええ?俺たち金がないんだぞ。時間がかかる植物採集やってる暇もないし、現物支給はちょっと…けどまあ…」


ふたりがネネクレアを見ると、些か元気がない様に見えた。

平和な日本から、小学生の時にこの世界に来た二人の行動には、少年特有の青臭い優しさや共感がある。

フィオラの時もそうだったし、今回だってそうだ。


ネネクレアが、おずおずと本音を語る。


「お二人とも、本気で私とパーティーを組んでほしいのです。私はポーションの材料を採りに行きたいのです。でも、何だか周りと距離があって、独りぼっちで、仲間がいないのです。仲間、作ってみたいのです」


キーネが微笑み、目を細めて、ネネクレアを見ている。


タツキとゴウは、どちらともなく、ネネクレアに手を出していた。


「…仲間になろう」

「…組もうぜ」


この世界で異邦人であるタツキとゴウの胸に去来したのは、仲間がいないと言うネネクレアへの意識的な同情と共感であり、自己への無意識的な救済行為である。

この世界が故郷であるネネクレアの孤独と、元の世界への帰還のめどが立たない自分たちの孤独の性質の違いは、一瞬タツキとゴウの心に影をおとしたが、ネネクレアの笑顔ですぐさま晴れた。

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