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地下牢のタツキ

「「貴様アランの弟子かああッ!」」

「あの男を知っていたか!ならば話を聞かせてもらうぞ吸血鬼!ッッ!?」


剣が、折れた。


「やっぱりこの剣じゃダメか!」


フクシマタツキは思う。

酒屋の息子で幼なじみのユキシマゴウと共に、小学生でこの世界に転移してから四年。

必死に生きて来た。


タツキの家は父がサラリーマン、母は専業主婦、四つ年下の妹は小学校に上がる前だった。

妹は今、転移する前の自分程の年齢に差し掛かる頃だろう。


最初この世界に来たばかりの頃は、タツキの様な子供がやらせてもらえる仕事など、皿洗いや薬草採集のアルバイトしかなかった。

日銭を稼ぎながら徐々に貯めた金で装備を揃え、冒険に出て、剣技を磨き、回復魔法を覚え、魔法耐性スキルを重点的に修得し、がむしゃらに戦い抜いてきた。

その中で、奴、アランに隣国で出会った。

アランは姿を消すまでに、その剣技を幾つも伝授してくれた。

そしてその後、乱心した。

吸血鬼と化し、殺戮を繰り広げた師アランは、姿を消した。

殺されたのは、ザハーク教団の関係者たちだった。

タツキは教団との利害が一致し、ザハーク教団の刺客として、アランを追った。


教団潰しは国から莫大な報酬が出る。

タツキは、アランを追う中で、教団潰しの為にやって来る騎士や冒険者と戦った。

そんな中、隣国の姫に出会った。

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