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俺たちの転生

 「次会う時が奴の最期だわ」


 ……よし、気持ち切り換えてくわ。クソ女神のことはしばらく忘れるわ。左脇だけほんのりワキガとはいえ、俺はこれからは美少女として生きるんだし、美少女がツラに青筋立てて怒りと憎しみ滲ませてたら、可愛いのが台無しだわ。


 もうこうなったらヤケだわ。可愛いを極めてやるわ。


 可愛いメイクしたり、可愛い服着たり、可愛い小物集めたりしてやるわ。


 何だったら、異世界でアイドルユニットとか作ってセンター務めてやるわ。


 思いつく限りの可愛さ発揮して、可愛いの象徴に君臨してやるわ。


 あの星に誓うわ。あのアイドルの星に誓うわ。やべぇ、隣に妖しく輝く星ひとつ。まさか死兆星?これ見なかったことにするわ。




 あー、アイドルで思い出したわ。俺をセンターとして、脇を固めるあいつらのこと、忘れてたわ。とりあえず、あいつらを探すの安定だわ。


 ってうわ……。何かみんな集まってるっぽいわ……。近付けば近付くほど、魂の色とか何かそんなんざっくり分かる様になってるわ……。キショいわ……。


「分かる、分かるぞ。誰がどれなのかが分かるぞラ●ァ」


 ……ダメだわ。こんな可愛い声じゃいまいち締まらないわ。顔も可愛い、声も可愛い、中身も可愛い、……俺無敵だわ。全身からいい香りもするわ。体臭まで美少女だわ。……左脇だけほんのり臭いわ。ちなみに俺のワキガのニオイの内訳は、スパイシー&酸味ってかんじだわ。75%がポリ●キー、あとの残りがすっぱム●チョってかんじだわ。この割合でスナック口に放り込んで、絶世の美少女のワキガのニオイに思い馳せて大興奮するといいわ。……ポ●ンキーにもすっ●ムーチョにも謝るわ。まじでスマン。


「服部ー」


 まず俺は服部あずみの名前を呼んだわ。こいつはタヌキ顔にゆるふわ天然パーマの女だわ。見た目はそれなりに可愛いわ。美少女の部類に入るレベルだわ。でも今の俺の方が圧倒的に可愛いわ。俺の可愛さと比べたら、まるで太陽とシ●コムーンだわ。つーか、シスコム●ンって何?可愛さの対比の尺度としてどんなもんなのか、俺にはとんとわからんわ。


 ただ、こいつはチビの爆乳なんだわ。けしからん、実にけしからんわ。俺とは仲がよくて、ちょっと触ったり触らなかったり、まぁ、その、何だ、うん、実はこっそり付き合ってる感あるわ。


「ここに。シュタッ」


 ……おぉう残念だわ。分かってたけど、やっぱこいつ中身ちょっと残念だわ。


 こいつ、異世界来ても忍者ぶってるアホの子のままだわ。そこはかとなく年中忍者ごっこって痛いわ。そんな痛い子と嬉しはずかしスクールライフを送ってた俺もどうかしてるわ。おっぱいがあればいいの?おっぱいがあればいいの!いや結構可愛いんだってコイツぅ……!


 服部は今そこに立っていたのに、ぴょんと跳ねて片膝をついて、頭を上げてるわ。跳ねた時、胸がばるんっと揺れてたわ。そしてこの片膝ついてこっち見てる状態ならあれだわ、張った胸の谷間が覗ける感あるわ。こいつのこういうところはホント嫌いじゃないわ。ありがとうございます、後でちょっと触りますねグヘヘって、ん?谷間が見えないわ。ってか、服部の全身が闇っぽいわ。っていうか地面にへばりついたわ。あーこれ影だわ。


「服部、お前何それ」


「多分、ドッペルゲンガーとか影とかそっち系でござる」


「そっち系でござる、ってお前それフワッとし過ぎだわ。うわお前の体、感触がトゥルットゥルだわ。お前明らか人間じゃないわキッショ……!」


「キッショて……私は気に入ってるでござる!って有栖川、めっちゃ可愛い女子になってるでござる!ずるいでござる!拙者もそっちがいいでござるよ!何、影って!しかもトゥルットゥル!拙者、影なんて嫌でござる!まっぴらごめんでござる!」


 嫌なんやないかい!

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