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透明 vs 虹色
「不動心?何だそれは」
「はぁ?あんたのステータス見てみればわかるわよ」
「ステータス?何だそれは」
「そこから?あんた変わらないわね」
「お前の思う俺は、俺であって俺じゃない」
「本当、相変わらずね。意味わかんない」
穴倉が歯を閉じたまま、口で空気を吸い込みながら、虚空を見つめている。
「ッスウー…じゃないわよ。ステータス見てるみたいね。しっかしあんた、何かに集中すると、他のことに意識が回らなくなるわよね。隙だらけよ。…話聞いてないわね」
「なるほどこれが、ステータス。…ふむ?」
「もういいわ。水散弾!」
水弾が一発飛び、それが途中で爆散して、細かな飛沫となって穴倉を襲う。
貫通力はないが、広範囲に炸裂するダメージは、動きの鈍い穴倉では避けられない。
触手を硬質化し、自らの眼前に重ねて盾にする穴倉。
「あら、便利ね」
「さっきのバレットぐらいなら防げる…ッッ!?」
一瞬にして背後に回っていたルリの放つ水弾が、穴倉の背面から入り、腹部を貫通した。




