259/2233
混血熱線砲
穴倉は触手の先端を硬質化し、殺到するゴブリンに突き刺す。
次々に串刺しを作ると、触腕の針で血を吸い上げる。
そして干からびたゴブリンを、頭頂部の口に放り込み、噛み砕いて喰っていく。
体内に入ったゴブリンは次々に溶けて、跡形など残らない。
飛びかかったゴブリンは瞬く間に全滅した。
穴倉の体内を、緑色のゴブリンの血がめぐる。
「もういないな、生き物」
穴倉は角に意識を集中する。
すると角に光の粒子が集まり、明滅する度に体内に入る。
光は緑色の血液と反応しながら逆行し、赤い心臓に収束される。
そして穴倉の胴体に穴が開き、心臓が剥き出しになる。
「混血熱線砲」
心臓から出た光線はとんでもない高熱で、家屋を貫き、発火させる。
胴体に開いた穴は様々な方向に向きを変え、熱戦は集落中をはしり、焼き尽くしてゆく。




