魔人の終わり
細く尖った池中が、俺の胸を貫いて突き抜けたわ。
チキショー、新調したばっかのエプロンドレスに穴が開いてるわ。
しかも、俺の血で真っ赤に染まってくわ。
もぅ~、勘弁してほしいわ~。
んんん?視界が揺れやがるわ。
あっ、目が回るわ。
俺、いつの間にか倒れてるわ。
太陽が見えるわ。
プププ、ここは、太陽に吠えて松田的な優作感出すべきところだわ。
やってやるわ。
「何じゃ…こりゃあ…。」
あれ?ダメだわ。
声がかすれてあんまり出ないわ。
「がはっ、ゴボゴボッ、ひゅー…ひゅー…。」
うぉぉ、血の塊を吐いたわ。
呼吸が苦しいわ。
…これ、もしかしたら、ヤバいやつかもしれんわ。
回復安定だわ。
「レス…ト。」
…やべぇ、何か寒くなってきたわ。
こんなに太陽が照ってるのに、どんどん寒くなってきたわ。
ダメだわ、レスト効いてる感ないわ。
「池…中…。俺、お前のこと…好き…」
…じゃないわお前、こんなシャレんならんことされたら。
ん?池中が何か言ってるわ。
よく聞き取れないけど、頷くだけ頷いといてやるわ。
もう何でもいいから、わかったわかった、うんうん。
あーぁ、こんなことなら、仕事なんかしにくるんじゃなかったわ。
あぁ、温かくなってきたわ。
やべぇ、超眠てぇわ。
まぁ、あれだ、池中、許す許す、許すからよ。
だからよ、もう泣くなよ。
な。
おやす…み─────。




