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おめえなんかが本当に
冷めた目になるあずみを知ってか知らずか、シャサの口撃は止まらない。
「おめえなんかが本当に里の仲間になれたとでも思ってたのか? ええ?」
激昂し言いたい放題言い始めるシャサ。
それは感情のままに言っているだけの挑発だと誰もが分かる。
「……」
だが、誰も止めようとしない。
この場には多数の忍がいるにも関わらず、誰も異を唱えない。
「……」
彼ら忍は、元々魔物であるあずみを受け入れたくて受け入れたわけではない。
あずみが周りを見回すと、誰もが視線を外し、目を伏せた。
その様子を見たシャサは、更に勢いづく。
笑い顔さえ浮かべる始末だ。
「嫌われてんだよ、てめえはよ。 そりゃそうだろ、バケモンなんだからよお!」
表情が曇るあずみ。
周囲を敵に回したとて、里への思い入れが完全に消えたわけではない。
だが、自分が受け入れられていなかったと言われて、思うところもある。




