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三人寄れば
(速く、速く動け!)
シャサは駆けながらひたすらこの一心でいた。
疲労が抜けていない体は思った様には動かない。
先日、ユウと対峙した時の方が動けたと、自分で思う。
だが、それでもユウとの差は圧倒的で、屈辱感にまみれた。
そして今。
「点穴針!」
ユウの動きはどうにか視認出来るぐらいまで低下している。
単に勝つだけならば、今が最大のチャンスだ。
「しゃあッ!」
シャサは右手の点穴針による刺突撃をユウめがけて打つ。
真っ直ぐに。
だが。
(やっぱこんなんじゃダメかよ!)
ユウの方が目に見えて速い。
難なくかわされ、右方に回られた。
「炎斬!」
だが、上方から手刀に炎を纏ったジャービルが襲来する。
「!」
まだかわせるな。
そう思い、ユウが炎斬を払いのけた。
その時、後ろからユウを羽交い締めにする者がいた。
「何!?」
エタースである。




