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私の人生が
「何故だ?」
ユウが呟いたのは言葉の通り、疑問に思ったからだ。
助けたあずみは頭を掻く。
「いやその、泥島の仲間みたいでござるから~……」
へへへ、と笑うあずみだが、ユウは無反応。
何故ならユウは、あずみが助けてくれたことを疑問に思ったのではないからだ。
(少しだが、体に力が戻って来ただと……?)
先程までに比べて、だいぶ体が軽い。
傷の治りも早くなる。
何故なのかは分からない。
不安定で不調なことも。
しかし不安定が故に、力の回復をかんじることも。
何故なのかは分からない。
だが、何故だか分かる。
幼少期にガインと出会い、勇姿を見た時以来のものをかんじる。
ユウは不調とは裏腹な、輝く瞳で口走る。
「私の人生がまた動き出す予感があるな」
「何を言ってやがる」
点穴針を構えるシャサの額に青筋はしり、敵意の眼光激しくユウを睨んでいる。




