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シャサの苦笑い

 いつの間にかジャービルが横に来ていて、シャサに話しかける。


「援護するぜ。 勇者様を()るんだろ?」


「ああ。 助かるぜ、マジで」


 普段ならばジャービルのコンビネーションは珍しい。

 シャサが一緒に行動するのは本来エタース。

 ジャービルはゲドについていることが多い。

 だが、ゲドは今、ジャービルの援護を必要としていない。

 そして、シャサはユウ撃破に向けて動こうとしている。

 勝算があるかどうかは分からないが、ユウの調子はよくなさそうだし、シャサが疲弊したままだということをジャービルは知っている。

 だから一助になればと対ユウに参加しようとしているのだ。

 ユウはその様子を察知して短く息を吐いた。


「ハッ」


 その瞬間、ユウの姿が消えた。

 シャサが叫ぶ。


「来るぞ!」


「応! っ、ぐ」


 反応返すジャービルだが、ユウの足裏での蹴りが胸部にめり込んでいた。

 吹っ飛ぶジャービル。

 幾人もの忍が重なってジャービルを受け止めた。


「っ、てめえ!」


 シャサがユウを点穴針で突こうとする。

 その動きはユウには見えている。

 だが、やはり調子が悪い。

 反応が一瞬遅れた。


(いかん!)


 シャサは真っ直ぐユウの顔面の急所を狙った刺突を繰り出していて、食らえばダメージは受けるとユウは思った。


(死にはしないが、しくじったな)


 シャサの刺突は正確無比な一撃といえた。

 だが、弾かれる。


「何っ!?」


 弾いたのはユウではない。

 黒い風がシャサとユウの間に割り込み、そして駆け抜けた。

 シャサの腕が体の外側に流れる。

 と同時にユウの鉄拳が飛んだ。

 シャサは流れた腕の勢いに任せ、残ったもう片方の手に持つ点穴針をユウの腕に思い切り突き立てようとした。


「!」


 だがユウは点穴針を払う様に腕を外薙ぎに振った。

 すると点穴針は刺さらず、ユウの表皮に跳ね返されてしまった。

 シャサは即座に退きながら体勢を立て直した。

 拳撃の途中で腕の動きを変え、針に刺さらぬユウにシャサは苦笑いする。


「おいおい、ふざけんなよ」


 対してユウは真顔。

 汗は少しひいたか。

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