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あのゴーレムもそういうタイプ
カワベは視界の端で泥島の動きを見た。
レインが里の中心部の方に吹っ飛び、泥島が追って行くのを見た。
(あのゴーレム……)
思うところあるが、口には出さないカワベは再起の為に立ち上がる。
心は研ぎ澄まされ、ユウと真っ向からぶつかり直すつもりでいる。
するとユウが少し笑いながら、ゆっくりと口を開いた。
「あのゴーレムもそういうタイプ、だな」
そう言ってしゃくり上げた顎でカワベを指すユウ。
その額にはうっすら汗が滲んでいる。
(汗?)
超人勇者ともあろう者が、大した動きもしていないのに汗をかいている。
そのことにカワベは気付く。
思えば、攻撃も超人勇者の割には普通だ。
(調子が悪い……のかのぅ? ならば千載一遇のチャンスじゃな)
カワベの肉体が隆起、筋肉が肥大化し、傷が塞がってゆく。




