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チャンス!
泥島とあずみの揃った声にレインは反応せず。
そのまま姿がかき消えた様に泥島には見えた。
「!」
(強くなったってわけね!)
咄嗟に腕を交差させ、防御の体勢取った泥島。
と同時に腕に無数の斬撃痕が出来た。
えぐり取られた部分が砂化して風に乗った。
「うわっ、俺の体が! はっ!?」
後ろに気配をかんじて泥島が振り返る。
そこにはレインの姿がある。
反射的に土弾を撃つ泥島。
するとレインの姿がまた消えた。
───様に見えた。
だが、見失いはしなかった。
「見えるよコノヤロー!」
泥島はレインの動きを追って土弾を撃つ。
周囲の忍たちに被害を出さない為だろう、レインが空中に跳び上がった。
「チャンス!」
声を上げた泥島の指から土の速射弾が放たれる。
いつになく連射が効いている。
一発でも多く当てたい気持ちが表れていた。
「空中で避けられるもんならね、避けてみなさいよって!」




