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聖金貨の核
「出来るものならやってみて下さ、い……っ!」
泥島の動きは素早い。
巨大なゴーレムである泥島の体はいかにも鈍重そうなのに、だ。
繰り出すのは打ち下ろしの右拳。
シンプルに拳撃でレインを撲殺しようとしたのだ。
だがレインは涼しい顔で泥島の攻撃を避けた。
この涼しい顔は実は虚勢の色もある。
レインは実のところ、余裕があるとはいえない状況だ。
泥島相手の戦闘は相性が悪すぎるのだ。
「食らえ」
黒貨の弾丸を泥島に撃ち込むレイン。
攻性のオーラをまとった黒貨は泥島の胸部にめり込んだ。
だが、効いている様子がない。
そのまま黒貨がまとっていたオーラが消えた。
「吸収される、か」
眉をひそめるレインの顔は忌々しげ。
泥島はピンと来ない怪訝な表情で拳を振るう。
ゴーレムである泥島。
その核となっているのはアリスに埋め込まれた聖金貨だ。
そこに格下の黒貨を撃ち込まれても、聖金貨の魔力に飲み込まれ、核の一部へと変えてしまう。
「食らいましたけど」
言いながら体ごとぶつかる泥島。
避け切れず、全力で受け止めるレインの骨が軋んだ。




