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鍔迫り合い
今現在の強さには差があるだろう。
だが、時間が経つと分からない。
ユウの予想では、カワベは戦闘の高揚時に瞑想によって超人の力が解放される。
そして周りの忍は、力の解放までの。
「肉の壁というわけだな」
「ほう、そこまで読んだか」
「私の嫌いなタイプだ」
「ほう、超人勇者はそういうタイプか」
疾風の様に駆けるユウ。
その向かう先にいるカワベの表情は何ら崩れていないが、視線をかわすと、目の奥に嘲笑をかんじた。
(このじいさん、とんだ食わせ者だな)
ユウは一直線にカワベの首を斬り落としたいが、忍たちがカワベの前に幾人も立ち、行方を阻む。
(あまり殺したくはないが、そうも言っていられんか)
ユウは一瞬葛藤し、剣を振った。
しかしその斬撃は誰を斬ることもなく、闇影のクナイで受け止められた。
受け止めたのは、必死の形相のあずみ。
「私の今の一撃を止めるか、魔物!」
「何が何だか分からぬが、里の者をやらせはせんでござるよ!」
ユウと顔を突き合わせての鍔迫り合い。
やや押されるも、すぐに押し返すあずみ。




