2181/2233
引き受けました
そううそぶくユウ。
シャサは再度襲いかかろうと前傾の姿勢になる。
そして真っ直ぐユウを睨みながら呟いた。
「その調子でしばらくじじいを頼むわ」
それは依頼の言葉。
シャサはカワベの護衛をレインに頼んでいるのだ。
普段のシャサはレインを目の敵にしていて、決していい関係性とは言えず、素直に助力を求めたりはしない。
レインもそれでいいと思ってきた。
だからこそ、なりふり構わぬシャサからの頼みごとを無下にする気はない。
「引き受けました」
意気にかんじたレインは、無数の黒貨を放り上げた。
オーラを纏う黒貨が、無言で立ち尽くしているカワベを守る様に囲む。
レインをちらりと見やったユウが小さく舌打ちした。
「チッ、じいさんはそういうタイプの超人か」
「左様」
カワベのかわいた小さな声が、妙に大きく聞こえたユウは、神速による突貫に打って出た。




