泥島とあずみの再会
飛来者は一触即発のド真ん中に、とんでもない速度で落下してきた。
土煙があがり、しゃがみこんでいるそれが、ゆっくりと二本足で立つ。
するとその大きさに誰もが息を飲んだ。
「ゴーレムが何故空から……?」
そう呟いたのは超人勇者ユウ。
非常識さが目立つ彼女から見ても、現在のこの状況は非常識であり、異常であった。
何しろ、全身が土で出来たゴーレムが、空から降ってきたのである。
「何者だ、一体……?」
ユウはこのゴーレムを知らない。
だがこの場には、このゴーレムがどんなゴーレムなのか知る者が多い。
中でも、“混沌”の面々にとっては、忘れようにも忘れられない相手であった。
「こんなところにまで来やがったか、てめえ!」
叫んだのはシャサ。
“混沌”の中でも随一の実力者である。
だが、その実力者シャサをもってしても、畏怖させるものがこのゴーレムにはある。
「そりゃあ、来ますよ」
ゴーレムは怒りを内に秘めた様な、真剣な顔でシャサを見る。
シャサは舌打ちをしながら長針を構え、ゴーレムを迎え撃つつもりで殺気を撒き散らす。
この両者を知る服部あずみは、シャサとゴーレムが敵意を持ち合っていることに戸惑いながら、ゴーレムの名を口にする。
「泥島……で……ござるか……?」
「服部……!」
泥島とあずみの再会である。




