里へ
馬車の荷台の中には、“混沌”のメンバーであるシャサ、エタース、ジャービル、そして囚われのネネクレアがいる。
そしてゲドが馬車を繰り、レインはその横に座っている。
“混沌”のメンバーは皆起きた状態だ。
しかし起き抜けの朝の雰囲気と疲労から、歓談という雰囲気ではない。
むしろ荷台の中には、微妙な雰囲気が漂う。
忍の里への道中にある今、忍であるシャサが仕切る様な流れになるのは否めない。
と、馬車が止まる。
「村に着いたぞ、てめえら」
ゲドが荷台の中に向かって言った。
里ではなく村と。
エタースとジャービルは、村に着いたとの言葉に少しの解放感を得て立ち上がった。
シャサは、着いたというゲドの言葉より先に馬車から飛び降りていて、荷台の中には既にいない。
それもあっての解放感だ。
「結局、こいつ運ぶのは俺かよ」
エタースがぼやきながら、ネネクレアを抱えて馬車を降りた。
するとそこは、森の中。
何軒か家が連なっている。
ここは里以外の者の侵入を阻む為の村の一つだ。
「お疲れさん。 あっちだ」
家の中から出て来た住人がエタースたちに声をかけてくる。
言われるがままの方角へ向かって歩くエタース。
レインたちが後に続く。
「このルートは初めてかもな」
この森の中に村は無数にあり、入口は毎回違う。
すぐに小さな洞窟についたので、ジャービルは拍子抜けした。
こんなにも早く入口に着いたのは初めてだからだ。
一行は躊躇ない足取りで、洞窟の中へと入る。
小一時間も歩いて洞窟を抜けるともう朝で、忍の里が眼下に広がっていた。




