表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2153/2233

どこに向かってるんだ

 すうすうと寝息をたてるネネクレア。

 馬車の振動はかなりのものだが、起きる様子はない。


「のんきなもんだな、子供は」


「ふん、全くだぜ」


 相づちを打ったのはシャサ。

 パーティ“混沌”の中でも実力者。

 のはずだった。


「ちっ、憎たらしい寝顔だぜ」


 そう吐き捨てるシャサは大きくため息をついた。

 二の句を継ごうとするが、しばし口を半開きにしたまま、ただ呼吸を繰り返す。

 何か言おうとしているのだと察し、ジャービルが無言で待っていると、シャサが声を出した。 


「はー……。 今日はとんでもなく疲れたぜ。 早くゆっくり休みてえ」


 その言葉を聞いたジャービルは、何かを言う気にはなれず、無言のまま。

 馬の(ひづめ)と荷車の(きし)みだけが響く。

 馬車の振動の中のシャサは、気を抜けば一気に眠ってしまいそうだ。

 レイン以外は誰もが同じく疲労している。

 ケガもひどいエタースに至っては、完全に眠りこけてしまっている。

 普段ならエタースに向かって皮肉の一つでも言うシャサだが、今はそんな気になれなかった。


「里に着いたら修行のやり直しだ。 考えたくねえけどよ……」


「里……? 俺たちはどこに向かってるんだ?」


「俺の故郷の里だよ。 忍の里」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ