表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2143/2233

クマガイとザハーク

「……というわけだよ」


 話し終わったクマガイが目を(つむ)る。

 しばらくの沈黙。

 誰もが神妙な面持ちとなり、何も言葉を発しない中、服部あずみだけは、げんなりとした顔で、変わらずクマガイを軽蔑の眼差しで見ていた。

 あずみにとってのクマガイは、信用に足る者ではない。


「はいはい、すごいでござるな」


 故に、当然の様にクマガイの話を真面目に受け止めようとしない。

 その態度に、以前のクマガイならば即座にキレるところだが、今のクマガイはそうはならない。


「信用されない、か。 ま、仕方ないね」


 そう言ったクマガイは空を見上げる。

 夕闇が迫る空とクマガイの体毛が溶け合う様に同化している。

 真剣な表情のクマガイは、しばらくそのまま空を見ていたが、ふと視線を下ろし、ツェゲンたちに言い放つ。


「お前ら、それなりの組織にいるみたいだな」


 鑑定機能でツェゲンたちの経歴を覗き見するクマガイ。

 その目に映る情報の中にある共通の組織名。


「ザハーク教団、か」


 それは、デシネが司祭として君臨する組織だ。

 クマガイにとって、デシネはアリスを葬った存在と等しい人物。

 腹いせにこの場にいるザハークの者を全員皆殺しにすることも頭をよぎったが、しかし、クマガイは「ふん」と鼻を鳴らすと、「お前らに邪神の勅命を与える」と静かに言い放った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ