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一緒に世界を変えよう
そう言ったクマガイが若干肩を落とした様にデシネには見えた。
デシネの目を通して、操縦者もクマガイを見るが、やはり肩を落とした様に見えた。
覇気の類いはその時、いくらか萎んだ様に見えた。
それは黒の操縦者にとってはチャンスと思えるもの。
これまで何度も体験してきた瞬間のはずだった。
「強さに、現状に満足したことはない」
操縦者の声が、デシネを通して、黒を通して、クマガイの耳に届いた。
声はまるで質の悪いスピーカーを通した様なノイズ混じり。
そのことが異端の存在であることを示している様であった。
黒の操縦者はデシネを、黒を操作して、ゆっくりとした歩みでクマガイとの距離を縮めてゆく。
「満足する時が訪れるならば、それはこの世界を破壊出来た時だ」
黒の操縦者の言葉に嘘偽りはない。
心からの言葉だ。
そして。
「一緒に世界を変えよう」
クマガイへの揺さぶりの言葉でもある。
クマガイの心への。




