表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2064/2233

誰だ(よ)

 天使憑きの女のことは、フォンテスも気になっていた。

 確かに顔には見覚えがあるのだ。

 フォンテスは、マシアスの顔を見ながら、「同族か?」と問うた。

 そしてすぐさま、「いや、違うな……」と言って首を振る。


「同族ならば」


「分かりますもんね、目で」


「そうだ」


 吸血鬼の瞳は赤い。

 それだけで判別がつくし、記憶にも残るはずだという共通認識がフォンテスとマシアスにある。

 そして、見たことがある、という共通認識がフォンテスとマシアスにはある。

 だが、二人とも思い出せてはいない。


「人間ならば、出資者の顔しかわからん」


「ですよね」


 彼ら吸血鬼は各地に信奉者がいて、様々な便宜をはかってもらえる。

 そういった相手だったかもとも思うが、はっきりしない。

 マシアスは、笑い顔混じりの微妙な表情。


「人間の顔なんて、いちいち覚えてらんないですしね」


 と、シャノンが会話に入ってきた。


「あれは神官ミラーでは?」


 一瞬の沈黙後。


「誰だ」


「誰だよ」


 フォンテスとマシアスが、一斉にシャノンに返答するが、二人の記憶の中には、ミラーの名は影も形もなかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ