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穴倉、やれ
体躯の大きい穴倉の体には、強大な魔力が駆けめぐっている。
頭部にある二本の角が発光し、明滅し始めた。
そして体全体の魔力が、頭部に向かって集まってゆく。
その様子を後ろから見ているアリスは、眉を段違いにし、斜に構えた顔。
(アレで消し炭にしてやれや)
悪戯っぽくニヤリと笑ったアリス。
本当ならば、自分が打開したかった思いがあったが、この女は未知の敵。
女神と等しい存在となったアリスの攻撃を、いとも簡単に弾いたことから、どれ程の強さを持つか見当もつかない。
しかし、ただ者ではないことは分かる。
何せ、女神と等しい存在となったアリスの攻撃を、いとも簡単に弾いたのだ。
それでいて、女は余裕の口ぶり。
「今、何かしましたか?」
「言うじゃねぇか、この野郎!!」
挑発された格好のアリスが、硬く拳を握り直す。
直情的なアリスは、再度突進───と思いきや、進路を変更し、大きく回り込む様に走る。
「くたばれ馬───────────鹿! 穴倉、やれ!!」
「混血熱線砲!!!」




