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さけび
クマガイがバズソーで切り進むと、穴倉の胸に穴が開いていた。
中には真っ赤な心臓が見える。
脈打ちながら発光し、高火力の放熱が既に始まっている。
射線上にいれば無事では済まない一撃が来る。
(これ、知ってるぞ!? 食らっちゃいけないやつだ!!)
クマガイは、鋼の様に鋭く尖る自身の体毛が、全部逆立つ感覚をおぼえた。
と同時に、怒りと悲しみと寂しさ、やるせなさが胸に去来して泣きそうになる。
「穴倉、お前!」
(俺を容赦なく消す気か!)
円陣を組んで、仲間だと思えた瞬間もあった。
魂化してアリスの中に一緒にいた瞬間もあった。
だが、何かが少し狂えば、一気に崩壊する様な関係性でもあって、今まさに、それを実感するクマガイは叫んだ。
「うわぁぁぁぁぁ!!!」
至近距離に迫るクマガイの回転。
それを見る穴倉の目が血の色に染まる。
そして穴倉も咆哮、胸の穴から放たれる灼熱の閃光。
「混血!!! 熱線砲ッッッ!!!!!」




